
『HYカメールツアー!! 2017』を開催したHY
HYが6月17日、沖縄・ミュージックタウン音市場で全国ツアー『HYカメールツアー!! 2017』を開催した。同ツアーは3月1日にリリースしたアルバム『CHANCE』を引っ提げ、3月26日の東京・新木場STUDIO COASTからスタート。この日は、新譜『CHANCE』の収録曲のほか、初期曲「ホワイトビーチ」「AM11:00」なども歌唱。フロントマンの新里英之(Vo、Gt)は「みんなにたくさんのハッピーが訪れますように」と想いを語った。
ツアータイトルの「カメール」とは、沖縄方言で「掴む、掴まえる」を意味する言葉。「HYと応援してくれる人との出逢いの中から与えられたチャンスが、かたちを変えて曲になり、聴いてくれた人の夢を掴まえるきっかけなれたら。会場で出逢った人それぞれが、心の中に抱いている大切なものを掴んでほしい」というメンバーの想いが、このツアータイトルになった。
「ただいま、沖縄!」と告げると、会場から即座に「お帰り!!」の声。HYのライブはいつもメンバーとお客さんの間に、気持ちの開いたとてもあたたかい空気を感じるのだが、やはり地元は特別。1曲目からたて続けに演奏されたニューアルバムの曲にも、観客は一斉に挙げた手を懸命に振りながら、大きな笑顔と歓声で応えてくれる。今、同じ空間で、この瞬間を一緒に楽しもうという想いを強く感じるのである。
「ホワイトビーチ」「AM11:00」「隆福丸」というHYの歩みには欠かせない初期の曲も織り込みながら、ライブ中盤まではニューアルバム『CHANCE』収録の新曲が並ぶ。<だからお願い 僕のそばにいてくれないか 君が好きだから>と想いをストレートに告げていた「AM11:00」と、<君がくれた生きる意味を 忘れないように 希望を描いてく>と歌う「君の声」。14年の歳月の中の様々な経験が大切な糧になり、HYの今があると思える選曲だった。
そしてHYライブではおなじみの「イーズーコーナー」へ。これまで小芝居や恋愛相談など、毎回仲宗根の発案によるこのコーナー企画を楽しみにしているファンも多い。今回は、ライザップ体験で減量した仲宗根の自虐的な曲(名嘉談)「DEBUと言われて」がテーマ。この超絶バラードを歌う仲宗根の隣で、HYメンバーがバックダンサーとして踊りを初披露。これには少し驚いたが、何でも真面目に楽しむHYらしい、個性的なダンスに会場のファンも笑顔に。
また今までDVDなどでも映像化のなかった「イーズーコーナー」が、この夜、AbemaTVの生中継で放映されたのも、ファンには嬉しいサプライズだろう。

ライブのもよう
後半はパワフルに一気に走り抜けていったHY。「ラストは、みんなのハッピーを集めていきたいと思います」という新里が、会場の中から指名した人に、最近ハッピーだと感じたことを話してもらう。指名されたのは、偶然にもライブ中に新里が投げたタオルを受け取ったという女性と、この日のミート&グリートに当選したという男性。ほかにも、地方では結婚や妊娠のハッピーな報告もあったとか。一人のハッピーが会場に広がり、みんなのココロもあたたかくする。そして、「みんなにたくさんのハッピーが訪れますように想いを込めて」と語り、最後に「HAPPY」が歌われた。
アンコールでは、ツアーで久しぶりに歌われたHYのラブソングの代表曲「NAO」、ライブでしかやらない特別な曲「フェイバリットソング」、さらに1stアルバム『Departure』から「旅立ち」を歌ってライブは終了した。
さらに、ステージで発表された嬉しいニュースがあった。それは、メンバー1人1人をそれぞれカメラが追った『カメールツアー』のDVDが9月20日にリリースされること。新里がアコースティックギターによる弾き語りソロツアーをおこなうこと。
そして来年はセルフカバーアルバムをファンのみんなと作り上げ、その新作を携えて全国47都道府県ツアーをおこない、初日は、HYの日(9月22日)に沖縄・宜野湾市海浜公園屋外劇場で開催することが発表された。
ステージに並んだHYメンバーは、みんな笑顔だった。「Are you Happy?」と、仲宗根が会場に投げかけた言葉に、会場のファンは即座にこう答える。「I’m Happy!!!!!」。梅雨の雨が降る沖縄ファイナルは、たくさんの晴れわたる“笑顔”と“Happy”のあふれる夜になった。(文=伊藤博伸)
セットリスト
「HYカメールツアー!! 2017」セットリスト 1 君の声 2. バタフライ 3. 光 4. ホワイトビーチ 5 . CHANCE 6 . AM11:00 7. 三月の陽炎 8. あの日のまま 9. DEBUと言われて 10. ありがとう 11. 隆福丸 12. HY(ハート)SUMMER 13, BLUE 14. エール 15. HAPPY ENCORE |