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Channel: ライブレポート – MusicVoice(ミュージックヴォイス)
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Natural Lag、離れていても伝わる“熱” 配信ライブで届けたエネルギー

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 Da-iCEのボーカル花村想太のバンドプロジェクトNatural Lagが6月29日、オンラインライブツアー「Natural Lag Online Live Tour 2020」公演を動画配信プラットフォーム「OPENREC.tv」で生配信した。新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け中止となった「Natural Lag Live Tour 2020 -the first story-」は「Natural Lag Online Live Tour 2020」として生まれ変わり、6月29日、8月12日に生配信ライブという新たなスタイルで2公演披露される。1月リリースの1stミニアルバム『ナチュラルストーリー』からの楽曲を含む全10曲の初ワンマン生配信ライブの模様をレポートする。【取材=平吉賢治】

Natural Lag初生配信ワンマンライブ

花村想太


 
 「たのしみ過ぎる!」「ドキドキする」と、多数の期待のコメントがチャットを賑わせるなか、Natural Lag初となる生配信ライブは幕を開けた。ピアノのサウンドを伴奏に花村想太(Vo)の優しい歌声が響く。そして4人のバンドアンサンブルが花開くように広がり、「不機嫌な信号」からニュースタイル公演は走り出した。そしてエネルギッシュなギターソロから、花村の前向きなスマイルとボーカルが画面越しに輝きを見せた。

 間髪入れずに繋がれた「Determination」では、花村の「みなさん盛り上がってますか? 俺らは気合い入れて行くよ!」というコールからアップテンポのサウンドが炸裂。4人を映す絶妙なカメラワークからはオンラインライブならではの醍醐味を感じさせてくれる。「Natural Lag」のロゴが刻まれた花村のネイルまで明瞭に映し出してくれた。

 福田智樹(Gt)のロックなギターリフが印象的な「リモコンファイター」では軽快にステップしながらパフォーマンスする花村。各メンバーの表情を見ながらバンドの呼吸をビートで表すように魅せるLouis(Dr)。滑らかな指使いでクールなベースラインを刻むアベノブユキ(Ba)。Natural Lagメンバーは息ぴったりのバンド感をリモートでも生々しく感じさせてくれた。

 「ちょっとゆったりした曲を」という花村の言葉から始まった「Be your man」では、Louisの心地よい4つ打ちビートに福田のキメ細かいカッティングが絶好に絡む。そして、アベノブユキの色気あふれるベースライン上で浮遊する花村のボーカルが優しく耳に入り込んでくる。曲間を繋ぐライブの流れはテンポよく進行した。

離れていても伝わるNatural Lagのライブ熱

花村想太

 MCで花村は「このライブがNatural Lag人生初のライブとなっております――メンバー一同気合い入れてやっていきます」と、バンド初ライブの心境を真摯な口調で視聴者へ伝えた。

 ソウルフルな花村のボーカル導入からの「Sugar High」では、ハーフシャッフルのミドルテンポのなか、清涼感あふれるサウンドを広げた。気持ちよく揺らぐリズムとクールな音像の中で花村のハイトーンボーカルが華麗に踊るように楽曲を牽引する。

 花村は初めてのライブで緊張していると語りつつも、一貫して爽やかな表情で楽しませてくれる。「目の前に(実際は)目に見える人はいませんけど、画面を通した向こうにたくさんの方がいらっしゃると思うと感慨深いですね」と、初ワンマンの感触を言葉にした。そして「一旦ギアを落として」という花村の言葉からライブは「愛と恋」へと続いた。

 花村の歌唱力が存分に味わえるバラードチューン「愛と恋」では、時折目を閉じつつ情念たっぷりのボーカルを聴かせてくれた。落ちサビと大サビのダイナミズムは、花村のボーカリストとしてのポテンシャルを大いに感じさせてくれた。

 続く「蜃気楼」では、Natural Lagの弾けるエネルギーを魅せ、「ファイティング・ソング」ではメンバーがクラップを誘うパフォーマンスを見せ、チャットではそれに応えた絵文字やメッセージが寄せられるという配信ライブに特化したコール&レスポンスを巻き起こした。

 曲中で「楽しんでますか!」と花村が投げかけると、「いえ〜い!」などなど、ハッピーなコメントが即座にチャットに書き込まれ、リモートライブの熱気は上昇。「離れていても生まれるライブ熱」という新たなエネルギーを、演奏をするNatural Lagとチャットを賑わせる視聴者の熱いメッセージから存分に感じ取ることができた。曲後のMCで花村は「画面を挟んだ先にどういう空間が広がっているか想像することはできませんでした。でも、みなさんの心の中のクラップは聴こえてきました!」と、視聴者の想いに応えた。

 そして、花村は「みなさんに直接会えることはできていないんですけど、こうしてちゃんとステージに立って僕達が作り上げた音楽をみなさんにお届けできるというのは本当に、嬉しいという言葉じゃ済まないくらい大切な時間を頂いたと思っています」と、視聴者への感謝の気持ちを表した。そして、「みなさんが観てくださったこの時間を、この全てを、しっかり自分のパワーに変えて――そんな想いを込めてラスト2曲を」と、ライブ終盤へ向かう。

8月もまた会う“約束”を

 鋭さと清涼感を併せ持つロックナンバー「Trust Me」では、花村は腕を広げる身振りで頼もしくパフォーマンス。そして最終曲目を前にLouisは「配信ならではの独特な空気と緊張感と、これはこれでクセになります」と生配信ライブに対しての好印象を語る。

 花村は、「僕はこうしてライブができることが本当に心の底から嬉しくて――8月にもう一回あるので、もし今この時間を幸せだな、楽しかったなと思ってくださった方がいたら、8月もまた会う“約束”をしてください」と、視聴者へ伝え、「約束」へと進んだ。

 ファルセットボイスから低音域の豊かな歌声、ハイトーンと、花村は情念あふれる歌声と表情を魅せた。Natural Lagの一体感のある清涼なバンドアンサンブルは輝きを放ちながら初のワンマンライブを飾った。

 最後に花村は、8月12日のワンマンライブ第二弾は新たなセットリスト、楽曲、カバー曲の披露を予定していることを述べ、「気合いを入れてまた8月に戻ってきます」と、意気込みを示した。

Natural Lag

 花村はインタビューで、「着実に進んで行って、いつかみんなとでかい景色が見られるように頑張って行きたいと思っています」と語っていた。新たなスタイルでの初のワンマンライブを提示したこの日、Natural Lagはファンとさらなる大きな景色へと進む約束を交わした。

セットリスト

オンラインライブツアー『Natural Lag Online Live Tour 2020』
2020年6月29日 「OPENREC.tv」生配信

01.不機嫌な信号
02.Determination
03.リモコンファイター
04.Be your man
05.Sugar High
06.愛と恋
07.蜃気楼
08.ファイティング・ソング
09.Trust Me
10.約束


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