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Channel: ライブレポート – MusicVoice(ミュージックヴォイス)
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ナナヲアカリ「あの日の夢を叶えている」憧れの場所で見せた一体感 ツアーに幕

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 シンガーのナナヲアカリが5月24日、東京・キネマ倶楽部で全国ツアー『ススメ!!しあわせ症候軍ツアー』のファイナル公演をおこなった。ツアーは4月10日にリリースされた1st E.P『しあわせシンドローム』を引っさげて4月26日の埼玉・HEAVEN'S ROCKさいたま新都心 VJ-3を皮切りに、全国8公演をおこなうというもの。『しあわせシンドローム』の曲を中心にダブルアンコール含め全23曲を披露。10月2日に”プチアルバム"「DAMELEON」のリリースが決定し、10月26日から『DAMELEON RELEASE TOUR「CHANGING!」』の開催も発表されたツアーファイナルの模様を以下にレポートする。【取材=村上順一】

あの日の夢を叶えている…

ナナヲアカリ

 会場は満員御礼。隙間も見当たらないほどの多くのオーディエンスで埋め尽くされたフロアは、今の彼女の人気を物語っていた。このキネマ倶楽部はナナヲアカリにとって、ライブをやりたかった憧れの場所の一つ。ここで観た自身が好きなアーティスト達のステージに魅了され、自分もこの場所でライブがしたいと感じたステージで、「あの日の夢を叶えている、自分のことじゃないみたい」と、その夢がついに叶った特別なライブとなった。

 その想いはライブの序盤から表れていた。オープニングを飾った「ダダダダ天使」からアクセル全開のパフォーマンス。ナナヲはお立ち台からジャンプしたり、VJ野良いぬも果敢にオーディエンスを煽りまくる。ライブのラストスパートのようなクライマックス感満載のスタートだ。3曲目に披露された「ディスコミュ星人」はステージとフロアで会話をする、コミュニケーションが盛んな一曲。オーディエンスも目一杯声を張り上げ、ステージからの問いかけに応えるような、ライブならではの一体感を感じさせてくれた。

 彼女のライブの見どころの一つでもある、VJ野良いぬによる映像とのコラボレーションは、より楽曲のステージを一段も二段も底上げしてくれる感覚。活発なナナヲを追いかけながら魅力的な映像でも楽しませてくれる。

 今回のツアーは1st E.P『しあわせシンドローム』のリリースに伴い、組まれたツアーということもあり、E.Pからの楽曲は全曲披露。幸せを追い求める中での葛藤など様々な感情が盛り込まれた。1st E.Pからサビでの爆発力が快感な「ウツムキブレザー」、「ツアーファイナルなら完璧なダンスを見せてくれるでしょう」と、期待を込めた煽りからの「シアワセシンドローム」では、“S・A・W・S”と、腕を使ったジェスチャー、通称“シアワセダンス”で盛り上がった。

 MCでは「えんじぇるズ トーク」と題して、オーディエンスからえんじぇるズ(Dr.タイヘイ、Ba.かのーつよし、Gt.カトリーヌ、VJ.野良いぬ)への些細な質問やダメ出し(!?)など、様々な会話がフロアとステージで繰り広げられた。

 そして、ナナヲがリッケンバッカー(エレキギター)を手に取れば、より攻撃的なセクションへの合図。「妄想ハッピーエンド」「ナンセンス・ハビット」「一生奇跡に縋ってろ」と、オーディエンスをヒートアップさせてくれるアグレッシブな曲で畳み掛けた。脳天直撃のエッジの効いたサウンドに、フロアからは多くの腕が振り上げられ、熱狂の空間が広がった。生きていることを実感させてくれる瞬間だ。

10月2日に”プチアルバム"「DAMELEON」をリリース

ナナヲアカリ

 「ハノ」のパフォーマンス後、一旦ステージを後にするナナヲ。会場は暗転し、スクリーンに「えんじぇるズの思ひ出」と題されたこのツアーでのリハーサルの模様などが投影。仲睦まじいメンバーとのやりとりをしばし観覧。

 映像が終了しライブは後半戦へ。「パスポート」が始まると、衣装をドット柄からキネマ倶楽部とマッチしたワンピースにチェンジし、中2階に位置するバルコニーからナナヲが登場し、映画のワンシーンのような光景。ここからミディアムナンバー「kidding」や、メロウなエレクトロナンバー「Youth」で、上がりきった熱狂をクールダウン。ナナヲの歌声に静かに耳を傾け、よりドラマチックな楽曲と緩急をつけた流れでオーディエンスを扇情させた。

 ここで疾走感あふれるアッパーチューン「んなわけないけど」へ突入。体を震わせるロックナンバーでライブは佳境へ。盛り上がり必至の「インスタントヘヴン feat.Eve」は、親指と人差指によるL字を組み合わせ、カメラのファインダーをイメージした“カギカッコ”を作り上げ、<いいね>とキャッチーなメロディにのせ会場全体で盛り上がるアゲアゲな一曲。フロアからも無数の“カギカッコ”が掲げられ、ライブならではの壮観な光景が広がった。

 「ハッピーになりたい」で最高のテンション感のなか、本編ラストは「オトナのピーターパン」を披露。キュートで中毒性のある曲で、新しいナナヲアカリを見せてくれた。エンディングでは、バックトラックが流れる中、ナナヲはステージを後にした。

 恒例の“天使コール”に応え、再びナナヲとえんじぇるズがステージに登場し、メジャーデビュー曲「ワンルームシュガーライフ」でノリノリ、そして、10月2日に”プチアルバム"「DAMELEON」のリリースと、10月26日から『DAMELEON RELEASE TOUR「CHANGING!」』の開催を発表。ファンにとって嬉しい報告から、「頑張って生きていかなければいけない、生きることにビビっちゃいない!」と、鼓舞させてくれるナンバー「ビビっちゃいない」と、ボルテージは最高潮。

 ダブルアンコールも巻き起こり、「私が歌いたい曲を歌います! 大好きな曲です」と「メルヘル小惑星」を投下。タイトルコールから大歓声が起き、この日一番といっても過言ではない、オーディエンスからの掛け声やシンガロングが、ナナヲのパフォーマンスに火をつけた。オーディエンスとの相乗効果でリミットを突破。そのエナジー漲るオーディエンスを見て、感情を揺さぶられたナナヲの目には薄っすらと涙が浮かぶ。まさに全霊をぶつけた歌を届け、最後にナナヲから「大好きだよ~」とラブコールで、ツアー『ススメ!!しあわせ症候軍ツアー』は幕は閉じた。

セットリスト

『ススメ!!しあわせ症候軍ツアー』
5月24日@東京・キネマ倶楽部

01.ダダダダ天使
02.おばけのウケねらい
03.ディスコミュ星人
04.なんとかなるくない?
05.ウツムキブレザー
06.事象と空想
07.シアワセシンドローム
08.妄想ハッピーエンド
09.ナンセンス・ハビット
10.一生奇跡に縋ってろ
11.お釈迦になる
12.ハノ
13.パスポート
14.kidding
15.Youth
16.ひとりごと
17.んなわけないけど
18.インスタントヘヴン feat.Eve
19.ハッピーになりたい
20.オトナのピーターパン

EN1.ワンルームシュガーライフ
EN2.ビビっちゃいない

W.EN.メルヘル小惑星


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